「ピラティス」というと、姿勢改善やボディラインづくり、運動不足解消など、身体への効果をイメージする方が多いかもしれません。しかし、ピラティスは身体だけでなく、心や精神面とも深く関係している運動です。

忙しい毎日を過ごしていると、仕事や家事、人間関係など、さまざまなことを考え続けてしまい、自分の身体や心の状態に目を向ける時間が少なくなりがちです。そんな日常の中で、ピラティスは「自分自身に意識を向ける時間」をつくるきっかけになります。

呼吸を意識することで、心を落ち着かせる

ピラティスでは、動きと呼吸を合わせながらエクササイズを行います。

普段、私たちは呼吸を意識することはあまりありません。しかし、ピラティスでは「息を吸う」「ゆっくり吐く」という呼吸に意識を向けながら身体を動かします。

呼吸に意識を向けることで、運動中に頭の中にあるさまざまな考えから一度離れ、今行っている動作や身体の感覚に集中しやすくなります。

もちろん、ピラティスを行えばストレスがなくなるというわけではありませんが、日常から少し離れて自分の身体と向き合う時間を持つことは、気分転換のひとつになるでしょう。

「身体に意識を向ける」ことが心にもつながる

ピラティスでは、ただ身体を動かすのではなく、「今、どこを使っているのか」「姿勢はどうなっているのか」「左右のバランスはどうか」など、自分の身体の状態を意識します。

例えば、普段は気づかなかった肩の力みや、左右の身体の使い方の違いに気づくことがあります。

こうした身体への気づきを積み重ねていくことは、自分自身の状態を知ることにもつながります。

「今日は身体が重いな」
「いつもより肩に力が入っているな」
「今日は少し動きやすいな」

このように、その日の自分の状態に気づく時間を持つことも大切です。

運動による気分転換

身体を動かすことは、気分転換の方法のひとつでもあります。

長時間座って仕事をしていたり、スマートフォンやパソコンを見る時間が長かったりすると、身体が同じ姿勢になりやすく、気分もすっきりしないと感じることがあります。

そんなときにピラティスで身体を動かすことで、普段あまり使っていない筋肉を動かしたり、身体を伸ばしたりすることができます。

レッスン後に「身体が軽くなった」「スッキリした」と感じる方がいるのも、身体を動かすことによる気分転換のひとつと考えられます。

小さな「できた」が自信につながる

ピラティスでは、最初は難しく感じる動きでも、続けるうちに少しずつ身体の使い方が分かるようになることがあります。

「前より動きやすくなった」
「姿勢を意識できるようになった」
「以前より身体をコントロールできるようになった」

このような小さな変化に気づくことは、自分自身の変化を実感するきっかけになります。

大きな目標だけではなく、日々の小さな「できた」を積み重ねることが、運動を続けるモチベーションにもつながります。

自分のための時間をつくる

毎日の生活では、仕事や家族など、周りのことを優先して自分のことを後回しにしてしまうこともあります。

ピラティスの時間は、自分の身体と向き合い、自分自身に意識を向ける時間です。

「身体を整えるために通う」という目的だけでなく、「自分のための時間をつくる」という視点でピラティスを取り入れてみるのもよいでしょう。

ピラティスは、心の不調を治療するものではありません。また、すべての人に同じような精神面の変化が起こるわけでもありません。

それでも、呼吸を意識し、身体を動かし、自分自身の状態に目を向ける時間は、忙しい毎日の中で大切なリセットの時間になるかもしれません。

身体を整えることから始めて、少しずつ自分自身と向き合う。

ピラティスは、身体だけではなく、自分の心や生活を見つめ直すきっかけにもなる運動なのです。